第72回全日本吹奏楽コンクール【中学生の部】詳細と見どころ

2024年10月19日(土)、栃木県宇都宮市の宇都宮市文化会館にて「第72回全日本吹奏楽コンクール 中学生の部」が開催されます。この大会は、全国の中学校吹奏楽部が集まり、日々の練習の成果を披露する場であり、日本中の吹奏楽ファンにとって注目のイベントです。各校が演奏する課題曲と自由曲は、技術と表現力が試され、特に自由曲では学校ごとの個性が光る瞬間が多く見られます。

このコンクールは、音楽を通じて中学生たちが培ったチームワークや情熱を感じることができる特別な舞台です。若い演奏者たちが日々の練習を通して成長してきた過程を感じながら、客席の私たちは音楽の力と美しさに触れることができます。特に吹奏楽部は、音楽技術だけでなく団結力も必要ですので、その息の合った演奏がどのように響くのかが大きな見どころですね。

吹奏楽コンクールは、課題曲と自由曲の2曲を演奏します。課題曲は同じ条件のもとで技術力が試され、自由曲では学校ごとの独自性や創造性が問われます。吹奏楽ファンにとって、この2つの要素がどのように融合するのかを楽しむことができる大会です。

開催情報

  • 日程: 2024年10月19日(土)
  • 会場: 宇都宮市文化会館(栃木県)
  • 前半の部: 9時00分開演予定
  • 後半の部: 14時30分開演予定

前半の部

前半の部は9時00分からスタートし、全国から選ばれた15校が登場します。各校の演奏は、技術力だけでなく感情表現の豊かさも求められるため、それぞれの学校がどのように演奏を仕上げてくるのかが注目されます。注目したい演奏はたくさんあり、松本市立鎌田中学校の「ブリュッセル・レクイエム」や、柏市立酒井根中学校が演奏する「波瀾万丈」など盛りだくさんですね。

これらの作品は、華やかさと技術的な難しさが特徴であり、演奏者の技術力だけでなく、感情豊かな表現力が試されます。吹奏楽の伝統的なスタイルと現代の音楽が交差する場面が多く見られるでしょう。

以下は、前半の部に出演する団体と演奏予定の課題曲・自由曲の一覧です。

前半の部

順番 団体名 課題曲 自由曲
1 福岡県立門司学園中学校 I. 行進曲「勇気の旗を掲げて」 (作曲: 渡口公康) 無辜の祈り (作曲: 樽屋雅徳)
2 砺波市立庄西中学校 I. 行進曲「勇気の旗を掲げて」 (作曲: 渡口公康) Mont Fuji (富士山) ~北斎の版画に触発されて~ (作曲: 真島俊夫)
3 北上市立上野中学校 III. メルヘン (作曲: 酒井格) 交響曲第3番 より 1, 3, 4 (作曲: J.バーンズ)
4 松本市立梓川中学校 III. メルヘン (作曲: 酒井格) 交響詩《祈りの陽》 (作曲: 田村修平)
5 盛岡市立北陵中学校 I. 行進曲「勇気の旗を掲げて」 (作曲: 渡口公康) バレエ組曲《シバの女王ベルキス》 (作曲: レスピーギ / 編曲: 石津谷治法、社樹純)
6 四国中央市立三島東中学校 III. メルヘン (作曲: 酒井格) リベラシオン (作曲: 天野正道)
7 松本市立鎌田中学校 II. 風がきらめくとき (作曲: 近藤礼隆) ブリュッセル・レクイエム (作曲: アッペルモント)
8 羽村市立羽村第一中学校 I. 行進曲「勇気の旗を掲げて」 (作曲: 渡口公康) 交響的断章 (作曲: ネリベル)
9 旭川市立永山中学校 III. メルヘン (作曲: 酒井格) NOVA -宇宙(そら)への変革- (作曲: 林大地)
10 柏市立酒井根中学校 II. 風がきらめくとき (作曲: 近藤礼隆) 波瀾万丈 (作曲: 天野正道)
11 防府市立華陽中学校 II. 風がきらめくとき (作曲: 近藤礼隆) 生命(いのち)のアマナ~ウインドアンサンブルのために~ (作曲: 片岡寛晶)
12 福岡市立城南中学校 I. 行進曲「勇気の旗を掲げて」 (作曲: 渡口公康) カプレーティとモンテッキ~「ロメオとジュリエット」その愛と死~ (作曲: 天野正道)
13 朝霞市立朝霞第一中学校 II. 風がきらめくとき (作曲: 近藤礼隆) 《GR》より シンフォニック・セレクション (作曲: 天野正道)
14 生駒市立生駒中学校 IV. フロンティア・スピリット (作曲: 伊藤宏武) ハンガリー民謡〈くじゃく〉による変奏曲 (作曲: コダーイ / 編曲: 森田一浩)
15 大阪市立鯰江中学校 I. 行進曲「勇気の旗を掲げて」 (作曲: 渡口公康) 歌劇《トゥーランドット》 (作曲: プッチーニ / 編曲: 後藤洋)

前半の部のプログラムには、クラシックの名作から現代吹奏楽作品まで多彩な楽曲が揃っており、技術力が要求される曲が多く見られます。また、各校の演奏技術の高さに注目が集まるだけでなく、指揮者の解釈による音楽の変化やアレンジがどう表現されるかも楽しみです。

後半の部

後半の部は14時30分からスタートし、引き続き15校が登場します。こちらでも、前半に負けず劣らずの力強い演奏が期待されます。出雲市立第一中学校の演奏する「斐伊川に流るるクシナダ姫の涙」は、繊細な旋律と壮大なスケールを持つ楽曲で、感情豊かな演奏が求められる一曲です。また、宝塚市立中山五月台中学校が演奏する「小組曲」も、ドビュッシーの美しい旋律が見どころです。

以下は、後半の部に出演する団体と演奏予定の課題曲・自由曲の一覧です。

順番 団体名 課題曲 自由曲
1 小平市立小平第三中学校 III. メルヘン (作曲: 酒井格) リュミエール・エテルネル (永遠の光) (作曲: 松下倫士)
2 出雲市立大社中学校 III. メルヘン (作曲: 酒井格) マードックからの最後の手紙 より (2021年版) (作曲: 樽屋雅徳)
3 南砺市立福野中学校 II. 風がきらめくとき (作曲: 近藤礼隆) ラ・レーヌ・ヴィクトリア~バルモラルの記憶~ (作曲: 樽屋雅徳)
4 船橋市立海神中学校 I. 行進曲「勇気の旗を掲げて」 (作曲: 渡口公康) ル・シャン・ドゥ・ラムール・エ・ドゥ・ラ・プリエール (愛と祈りの歌) (作曲: 松下倫士)
5 仙台市立向陽台中学校 II. 風がきらめくとき (作曲: 近藤礼隆) フェスティヴァル・ヴァリエーション (作曲: C.T.スミス)
6 高知学芸中学校 I. 行進曲「勇気の旗を掲げて」 (作曲: 渡口公康) 斐伊川に流るるクシナダ姫の涙 (作曲: 樽屋雅徳)
7 出雲市立第一中学校 III. メルヘン (作曲: 酒井格) 斐伊川に流るるクシナダ姫の涙 より (2022年版) (作曲: 樽屋雅徳)
8 天草市立本渡中学校 I. 行進曲「勇気の旗を掲げて」 (作曲: 渡口公康) 喜歌劇《天国と地獄》 より 序曲 (作曲: オッフェンバック / 編曲: 鈴木英史)
9 宝塚市立中山五月台中学校 I. 行進曲「勇気の旗を掲げて」 (作曲: 渡口公康) 小組曲 より 1.小舟にて 2.行列 4.バレエ (作曲: ドビュッシー / 編曲: 渡辺秀之)
10 加古川市立中部中学校・加古川市立浜の宮中学校 III. メルヘン (作曲: 酒井格) とこしえの声~いまここに立つ母の姿~ (作曲: 樽屋雅徳)
11 市川市立第三中学校 IV. フロンティア・スピリット (作曲: 伊藤宏武) 復興 (作曲: 保科洋)
12 日進市立日進西中学校 II. 風がきらめくとき (作曲: 近藤礼隆) バレエ音楽《ガイーヌ》 より 剣の舞、子守歌、収穫祭 (作曲: ハチャトゥリアン / 編曲: 林紀人)
13 旭川市立永山南中学校 II. 風がきらめくとき (作曲: 近藤礼隆) アンティフォナーレ (作曲: ネリベル)
14 さいたま市立土屋中学校 IV. フロンティア・スピリット (作曲: 伊藤宏武) 歌劇《タイス》 (作曲: マスネ / 編曲: 宍倉晃)
15 鹿児島市立武岡中学校 I. 行進曲「勇気の旗を掲げて」 (作曲: 渡口公康) マードックからの最後の手紙 より (2021年版) (作曲: 樽屋雅徳)

後半の部も、多彩な選曲で、特に現代の吹奏楽作品が多く取り上げられています。樽屋雅徳や天野正道といった現代作曲家の作品が多く演奏され、吹奏楽の新しい魅力を感じることができるでしょう。また、クラシックの名作と現代作品が融合するコンクールは、指導者や演奏者にとっても非常に意義深い機会です。

審査員紹介

今回のコンクールでは、日本を代表する吹奏楽の専門家たちが審査を行います。審査員は、各楽器のスペシャリストや作曲家など、多様なバックグラウンドを持った音楽家たちで構成されています。審査のポイントは、技術的な完成度だけでなく、音楽表現やアンサンブルのバランス、さらには感情表現がどのように演奏に反映されているかです。

  • 上原 宏(ホルン、東京佼成ウインドオーケストラ)
  • 小田桐 寛之(トロンボーン、日本トロンボーン協会会長)
  • 雲井 雅人(サクソフォン、国立音楽大学)
  • 幸西 秀彦(打楽器、国立音楽大学)
  • 後藤 洋(作曲、昭和音楽大学)
  • 濱崎 由紀(クラリネット、藝大フィルハーモニア管弦楽団)
  • 福井 蔵(ファゴット、東京交響楽団)
  • 星野 究(トランペット、日本フィルハーモニー交響楽団)
  • 丸田 悠太(フルート、東京佼成ウインドオーケストラ)

これらの審査員たちは、全国の学校から集まった中学生たちの演奏を評価し、最終的にどの学校が栄光を掴むかが決定されます。技術力だけでなく、音楽表現の幅広さが問われる厳しい審査が行われます。

まとめ

「第72回全日本吹奏楽コンクール 中学生の部」は、日本全国から選りすぐられた中学校が集結し、音楽を通じて競い合う一大イベントです。各校が披露する課題曲と自由曲は、技術的な面だけでなく、個々の音楽表現や創造性が試される場となり、観客に感動を与えることでしょう。

また、若い世代の吹奏楽部員たちがどのように成長し、音楽を通じて得たものを披露するかを目の当たりにするのは、観客としても非常に感慨深いものがあります。審査員たちの厳しい審査を受けながら、各校がどのように競い合い、結果を残すのか、ぜひ現地で直接ご覧ください。

音楽ファンの方も、吹奏楽の美しさと力強さを体感するために、ぜひ宇都宮市文化会館で行われるこのコンクールに足を運んでみてください。中学生たちの情熱溢れる演奏が、私たちを待っているでしょう。